”Respective” -NY YOUNG ARTIST’S GROUP SHOW-
ビーク585ギャラリー
♪えぇ~ ニューヨーク のホテルにチェックインする際、ホテリエが同行者の 犬用キャリーバッグ の 子犬 に気付き一言。
ホテリエ「ホテル内に、ペットを持ち込むことは禁止されています」
その言葉に同行者は、米国在住の友人がしばらく日本にいた時 「無事に子犬が生まれたら、大切に育てるから ニューヨーク まで届けてほしい。一人じゃ寂しいから」 と、熱望。それを聞いたホテリエが突然、
ホテリエ「えっ、犬なんてどこにいるんだい?なぁ、マイケル」
マイケル「そうさ、犬なんてどこにもいないさ。そのキャリーバッグ、フロントで預かる荷物ですね。どうぞ、こちらへ」
まるで映画のワンシーンのような出来事。その後子犬は、無事友人の元へと届けられましたとさ。
ワールドワイドで刺激的な街 ニューヨーク 。その、ロウアー・マンハッタン地区 にギャラリーやアーティスト達が集まりだし、いま世界中のアートラバーから注目されてるって知ってました?
そんなニューヨークで活躍されている作家のグループ展 『 ”Respective” -NY YOUNG ARTIST’S GROUP SHOW- 』が、大阪西天満の ビーク585ギャラリー で開催中。
ギャラリー代表の 川部昭隆 氏は、住宅関係の設計や積算、仲間とデザイン事務所を立ち上げ情報誌などのグラフィック・デザインの仕事をされていた、元サラリーマンコレクター。
転機は、1988年に ニューヨーク メトロポリタン美術館 で開催されていた デイヴィッド・ホックニー の巡回展 。「色鮮やかで素晴らしい!」そう思い、とあるギャラリーに立ち寄ると、そこにはデイヴィッド・ホックニー の作品が。
川部「えっ、デイヴィッド・ホックニー の作品って買えるんだ」
川部 氏はよく美術館には行かれてたそうですが、その作家さんの作品がギャラリーで買えるとは知らなかったそうです。よし、思い切って ホックニー の版画を購入しよう!と心に決め、そのプライスを見たらなんと、ウン百万円。
撃沈。
その後、 TOMIO KOYAMA GALLERY の 小山登美夫 代表の雑誌記事 『絵画の目利き』 を参考にし、 “ 値打ちが出るかどうか ” という 【質と価値】 に重点を置き、作品購入を検討。結果、ギャラリーコロー さんでの 『0号展』 で、日本人作家さんの作品を購入。
川部「世界に一枚、自分が一人占めできるという嬉しさに、野球のグローブを買った時の感覚で、枕元に置いて寝ました」
それからというもの、堰を切ったように作品を購入し、いつの間にか知られるコレクターに。やがて 「神戸元町歩歩琳堂画廊を引き継いでもらえないか」 という話があり、奥様がギャラリー代表で時折 川部 氏がディレクションを務めていましたが、退職を機に一念発起。大阪西天満の老松通りを入ったところに、2022年に ビーク585ギャラリー をオープン。
東京では MIZUMA ART GALLERY 三潴末雄 氏がコレクターからギャラリー代表になったのは有名ですが、大阪でもコレクターからギャラリーをされる方がいらっしゃるのは嬉しいかぎり。
で、今回の展覧会。川部 氏が刺激を受けたニューヨークで、作品を発表されている Takuya Yoshida 氏がセレクトされたアーティスト5名をご紹介。
ビーク585ギャラリー で展覧会もされている Takuya Yoshida 氏は、日本のポップカルチャー 『Kawaii』 に影響を受け、ペイントオーバーを数十回繰り返し作品を制作。その厚塗りのテクスチャーからは、アイデンティティや奥底に眠っている心情などが、ジワぁーっと伝わってきます。
縄文時代の土偶に影響を受けた Minami Yoshida 女史 。「普遍的なかたちと生きる力を残したい」。そんな思いが現代の大衆文化と相まって、素朴で心に寄り添った作品へと導かれていきます。
Silas Borsos 氏は、生活の一部分を表現 。 まるで窓から覗き見しているような 《Art and Life》 が、穏やかな日々のルーティンをも想像させてくれます。
ブルックリン区にある プロスペクト公園 の夏至の風景 。海のようにうごめく夜空と、星空のように煌めく明かりが、静寂な時間をドラマチックに表現されています。
プロレスラーをモチーフにされた作品。描かれていないのでこれは推測ですが、手に持っているのは多分チャンピオンベルト。ベルトより上半身推しというのが、肉体と試合運びに芸術性を感じておられるのかもしれません。
皆さん、作風はオーソドックスでありながらも、ニューヨークという街の魅力に満ち溢れ、日本とはまた違うアプローチが垣間見れたこの展覧会。問い合わせも、いつもと違う方々や海外のコレクターからも連絡があり、「Silas Borsos の作品が日本で観れるなんて」と絶賛。
川部「ニューヨークのギャラリーとも繋がり、今度はニューヨークで作品を紹介できればいい」
若い頃、アートでインスパイアされたニューヨーク。今度はそのニューヨークで、ギャラリーやアーティストから逆にリスペクトされる日も近いかもしれませんねぇ~ ♫
”Respective” -NY YOUNG ARTIST’S GROUP SHOW-
ビーク585ギャラリー
Artist
Sarah D’Ambrosio
Silas Borsos
Jack Albrittain
Takuya Yoshida
Minami Yoshida
会期 2024年7月5日(金) – 8月20日(火)
営業時間 12:00 – 19:00
休み 水曜日・木曜日
住所 〒530-0047
大阪市北区西天満4丁目5-25北老松ビル2階
TEL: 06-6232-8198
ギャラリーサイト
https://beak585.com/
Instagram
@beak585gallery