おかけんたの「えぇ~アート」#03

井村一登 Kazuto Imura
「明晰鏡」

京都 蔦屋書店 6F ギャラリー


♪えぇ~ 美術館での小噺を一席。

ご婦人「この作品は、ゴッホね」

学芸員「いえ、こちらはセザンヌでございます」

ご婦人「これは、ルノアールね」

学芸員「こちらは、モネでございます」

ご婦人「あっ、これはピカソ。ピカソで間違いないわ」

学芸員「奥様、それは鏡でございます」

実際に落語家さんが舞台で使っている小噺の一例なんですが、オチ分からん人ほっときますよ。

人を映す鏡。そんな鏡を使って作品制作をされているのが、井村一登さん。井村さんは東京在住で、出身の京都での個展は初。満を持しての本展は、今までされてきた仕事のベスト版ともいうべき9点の作品が展示されています。

画像①
画像②

画像①の学生の頃から制作されている、鏡像の反復を作り数列の可視化をコンセプトとされている『wall-ordered』シリーズの新作は、反射率がハンパなく高い作品。学生の頃は既製品の鏡を使用されていたのですが、現在は鏡自体を製作。私は初期の作品を持っているのですが、それでも映し出される世界観は実に美しく、驚きのスペックに満ちています。

画像②のオレンジの 《wall-ordered horizon bronze》2024 は、鏡に一番近い色がオレンジで、シルバーが焦げ付いたらブラックっぽくなるという意味合いも含めた作品。

画像③
画像④

画像④の《invisible layer creature #9》2022 は、江戸時代に隠れキリシタンの信仰として使われていた魔鏡を参考とされたシリーズ。床の映発が光彩陸離の如く輝き、鏡の歴史と光との関係性が見て取れる作品。

画像⑤
画像⑦
画像⑥
画像⑧

その他にも、黒曜石やガラスなど制作の原点となる展示もあり、完璧を追及されたまさに『明晰鏡』の展覧会。

井村一登さんの故郷に錦を飾ったこの個展は、個人的にもめちゃくちゃ楽しみでありましたし、その期待を裏切らない素晴らしいクオリティの仕事には頭が下がります。GWを含めたこの5月、是非ともご覧くださいませぇ~ ♫

井村一登 Kazuto Imura
明晰鏡

会期|2024年4月27日(土)~5月14日(火)
時間|11:00~20:00 ※最終日のみ18:00閉場
会場|京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
入場|無料
お問い合わせ|075-606-4525(営業時間内)kyoto.info@ttclifestyle.co.jp

井村一登サイト
https://kazuto-imura.com/

Instagram
@011_arumi

京都蔦屋書店
https://store.tsite.jp/kyoto/event/magazine/39858-1309190408.html


おかけんた
1961年3月28日生まれ。1983年に漫才コンビ「おかけんた・ゆうた」を結成。1986年「第17回NHK上方漫才コンテスト」優秀賞、1997年「第32回上方漫才大賞」奨励賞、1999年「第34回上方漫才大賞」大賞など。
並行して、アート分野で活動を開始。1994年〜1995年「東京国際AU展」作品展示(東京都美術館 )。1995年株式会社スプーン公募展でグランプリを受賞。1996~98年「OCHA(大阪コンポラリーヒューマンアート)」をプロデュース。2014年からは「京都国際映画祭~映画もアートもその他もぜんぶ~」 でアートプランナーを務めた。「ART FAIR TOKYO」アートトーク (2007年~2010年)、「ART OSAKA」イベントMC (2008年~2012年)、「草間彌生 永遠の永遠の永遠」 国立国際美術館 ギャラリートーク (2012年)、ギャラリーA-LABのアドバイザー(2015年~)、京都精華大学客員教授(2018年~2020年)、「茨木映像芸術祭」審査員(2021年)、「Any kobe2022」トークイベント (2022年)などを歴任している。