おかけんたの「えぇ~アート」#10

現代美術二等兵展覧会「ネットで見たアレ」

GALLERY 04街区


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画像①
《国境のないこけし》(上)
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♪えぇ~ こけしが

地球温暖化じゃなしに、地球民芸化 ?
果てしない こけし共和国 。何語喋るの ?

遺伝子レベルの、小小小小小こけし ?
片付け知らずの体内玩具!?

画像②
《ナスカの夏、ペルーの夏》
Xいいね 9436件

ナスカのハチドリの地上絵型蚊取り線香。煙でUFOも落ちる?

画像③
《どこでもローソン》
Xいいね 3.7万件

これなら持ち運べるので、迷惑をかけずに 富士山 と ローソン の写真を撮りまくり。

今年で作家活動33年目になる『現代美術二等兵』さんは、籠谷シェーン 氏と ふじわらかつひと 氏 によるアートユニット。
本展はSNSでバズった作品や、反応が薄かったなぁーと思える作品を展示。新作もネットでアップし、「ネットで見たアレ」をギャラリーに観に行こう!とSNSをフル活用された、実に 二等兵さん らしい展覧会なんです。

その現代美術二等兵 さん、元々は3人のユニットで、京都市立芸術大学彫刻専攻の卒業前に展覧会をされたそうですが、ご本人曰く「ウケた」そうです。
1991年に京都市立芸術大学彫刻科を卒業。翌年、京都の ギャラリー射手座 で展覧会『大蔵SHOW展』を開催。

籠谷「調子乗って、来年の予約も入れました」

1993年には、吉本新喜劇のビデオ『ギャグ100連発』にあやかり、同ギャラリーで『現代美術100連発展』という個々で99点、共作で1点制作された展覧会を実施。1994年の『現代美術二等兵展』で、ユニット名を “ 現代美術二等兵 ” と命名。その後、ギャラリー射手座 での展覧会は2006年まで続くのですが、順風満帆とはいかなかったようで・・・。

展覧会中に美術マニアの男性から

「これ作った人立って!こんなんは美術じゃない!!」

学生さんからは

「私が思ってるのは、こうじゃないんです!」

と言われ続けましたが、こんなことでヘコむ二等兵さんではありません。 高尚な美術の対極にあるジャンル、そうアレを生み出したのです。

お菓子の世界に駄菓子があるように、美術の世界にも “ 駄美術 ” があってもいいのではないかと、1998年に展覧会『駄美術宣言』を開催。
この頃にはメンバーの1人が抜け、ジャンル不問の脱力エンターテインメント 『現代美術二等兵』は、籠谷シェーン 氏と ふじわらかつひと 氏2人のユニットとして始動。
もうこうなったら何でもアリ。

「駄美術課長補佐」ギャラリー射手座 (2000年)

「やいやい言うな娯楽じゃボケ!」ギャラリー射手座 (2002年)

「展覧会だワン!見に来てニャン!」ギャラリー射手座 ( 2003年)

個展は京都だけでなく、『脱力エンターテイメント』青山 / ROCKET (2005年)、『駄美術の世界~ヨロシク原宿~』原宿 / LAPNET SHIP (2006年) 、『駄美術ギャラリー・本生』青山 / 青山ブックセンター (2008) と、東京にも進出。

それプラス、ふじわら 氏は テレビ東京『たけしの誰でもピカソ』の 勝ち抜き形式のアート・コンテスト 『アートバトル』になんと10回出演。 飛ぶ鳥を落としてさばく!?ほどの勢いで、 現代美術二等兵 の知名度と駄美術度は爆上がり。

さらに初台でのクリアボックスを使った展覧会では、ミロのヴィーナスが小さめのケースに頭を斜めに下げている《狭い・・・》。天使の羽根が手羽先になった 《手羽先天使》など、二等兵さんではお馴染みの作品が東京初展示。

そんな時、東京のコンテンポラリーアートのギャラリーでも展覧会をやりたい!と、著名なプライマリーギャラリーの代表にも作品をみてもらいましたが、「ユーモアとギャグは違う。消費されるものではなく100年、200年残るものを作る」と言われ、「ちゃうわ、自分らは」と気付き、我が道を行くことを決意。

そして2008年には、大阪 / HEP HALL での大規模展 『駄美術ミュージアム』を開催。
相変わらず「美術って名乗らないでください」とか、A4のアンケート用紙の裏表にぎっしりと書かれていたそうですが、入場者数5000人以上で大入り袋も出たそうですから、そんなことはどこ吹く風。

2012年には、私おかけんたも出品させていただいた 現代美術二等兵20周年記念『テディ○○展』京都 / VOICE GALLERY、2013年と2017年には『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』。2015年には大阪中央公会堂で『駄美術中央公会堂』他、金沢、東京、大分、高知、神戸、伊東、台北など国内外での展覧会多数!

「あぁー、めっちゃ作品観たくなってきたぁー、作品みせてぇー!」

と皆さん、心の中で叫んではりませんか。お待たせ致しました。では、現代美術二等兵展覧会「ネットで見たアレ」 の作品と、SNSのアレもお楽しみあれぇー。

画像④
《スタッフロールが流れ始めるとすぐにスマホをいじるやつ》
Xいいね 11万件

映画館でエンドロール流れてる時に携帯いじられると、確かに冷めます。

画像⑤
《ハトが舞うスノードーム》
Xいいね 2.9万件

ひっくり返して戻すと、ハトが飛びます。番組前のあのCMの曲が、脳内に響いてきます。

画像⑥
《ARTでメシが食えるか?》
Xいいね 70件

こちらはSNSの反応が薄かった作品。私はめっちゃ好きです。ジャコメッティ箸で、いかの塩辛食いたい。

画像⑦
《はにわルッキズム》

こちらは新作。古墳時代に外見重視主義があったら、古代ギリシャローマ彫刻に匹敵する美男子像が生まれていたかもしれない。胴体はずんべらぼんやけど、これもご愛嬌。

画像⑧
展示風景

2人のユニットって、私も昨年まで おかけんたゆうた で漫才コンビを組んでたのでわかるのですが、結構相反することが多いんです。二等兵さんは、 籠谷 氏が 「やってみよう」のアクセル派で、ふじわら 氏が「大丈夫かなぁ」のブレーキ派。このバランスが程よい弛緩となり、老若男女が楽しめる作品へと繋がっていくんです。

最後に皆さんへのメッセージをいただきました。

「ネットで満足するのではなく、実物を観てほしい。しょうもなぁとか、こんな簡単に作ってたのか!とか、ノッポさんみたいなポジションで、皆さんが趣味で作ってくれたら嬉しい」

観た人に創作意欲を湧かせる展覧会って、素敵だと思いませんか。
小学校の図画工作の授業を思い出し、駄菓子かじりながら「あぁー、夏休みの宿題忘れてたぁー」と作品作ってみるのも、また楽し。

というわけで、おかけんたの “ 駄コラム #10 ” はこれにておしまい。

現代美術二等兵さん、今度は 40周年に向かって頑張ってくださいね。応援してますぅ~ ♫

画像⑨
現代美術二等兵
左 ふじわらかつひと
右 籠谷シェーン

現代美術二等兵展覧会「ネットで見たアレ」

GALLERY 04街区

会期:2024年8月30日(金) – 2024年9月16日(月)
※火/水/木 休廊

時間:13:00 – 19:00

会場:GALLERY 04街区
〒530-0015 大阪市北区中崎西4-3-4  Collection Nakazaki1-1F
phone. 06-6459-7545

現代美術二等兵 website
http://www.g-b-2.net/gb2/

現代美術二等兵 Instagram
@gendaibijyutsu_nitouhey

籠谷シェーン Instagram
@nitouhey_kagotani

ふじわらかつひと Instagram
@katsuhitofujiwara

GALLERY 04街区 website
https://naneiart.com/event/gallery04gaiku/

GALLERY 04街区 Instagram
@gallery04gaiku